Fedora 33 で VMware Tools による解像度変更が効かない問題と対処
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概要
VMware Workstation 16 Pro 上に Fedora 33 をインストールしたのですが、VMware Workstation のウィンドウサイズにゲストの解像度が追従しない状況が発生しました。
本来は VMware Tools (open-vm-tools) によってゲストの解像度が追従するはずなので、open-vm-tools の動きが怪しいと思いワークアラウンドを調べてみました。
原因
Bugzilla や GitHub の Issue を見る限りでは、VMware Tools が Xorg 用のドライバ検知に失敗して resolutionKMS / resolutionSet プラグインが自動で有効にならず、解像度変更が動作しないといった問題のようです。
- https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1890815
- https://github.com/vmware/open-vm-tools/issues/491
- https://github.com/vmware/open-vm-tools/issues/501
※resolutionKMS / resolutionSet はゲストの GUI 周りを操作するプラグインです。
- resolutionKMS - ゲスト ユーザー インターフェイス トポロジと vmwgfx drm(ダイレクト レンダリング マネージャ)ドライバの通信を処理します。 注: このプラグインは、Linux 専用です。
- resolutionSet - vmwgfx drm(ダイレクト レンダリング マネージャ)ドライバが利用できない場合のゲスト画面のサイズ変更を処理します。
なお、同じ Wayland を使っている RHEL8 や CentOS Stream では再現しなかったので、Fedora 33 (以降) との組み合わせで発生する問題のようです。
対処方法
tools.conf の設定を編集して手動で resolutionKMS プラグインを有効にします。
まず、既定では tools.conf は存在しないので cp コマンドでサンプルファイルをコピーします。
1# cp /etc/vmware-tools/tools.conf.example /etc/vmware-tools/tools.conf
その後、vi 等のエディタで以下のように resolutionKMS セクションの enable=true 行のコメントアウトを外します。
1[resolutionKMS]
2
3#Default is true if tools finds an xf86-video-vmware driver with
4#version >= 13.2.0. If you don't have X installed, set this to true manually.
5#This only affects tools for Linux.
6enable=true
最後に open-vm-tools を再起動し、VMware Workstaion のウィンドウサイズにゲストの解像度が追従することを確認します。
1# systemctl restart vmtoolsd